WindowsとMac両方で作業する必要があり、私はこれまで2台のキーボードを机に並べて、Macは HHKB Professional HYBRID Type-S 日本語配列、Windowsは 東プレ REALFORCE R2 テンキーレス 45g という風に運用していました。
今回、机から物を減らしたいと思い、キーボードはHHKB1台だけ残して、HHKBのBluetooth切り替え機能で両方のOSから使えるようにしました。
面倒なことが大嫌いなので、Bluetooth切り替え以外の操作が発生するのはナシ!の方向で、良い感じにHHKBのキーマップ設定ができたと思いますので共有します。より簡便な方法がありましたら教えて頂けると嬉しいです。
<2022.5.9追記> 一年以上この設定で使っていますが問題は起きていません。オススメです。
やりたいこと
- HHKBのBluetooth切り替えショートカット [Fn] + [Control] + [1~4] だけで、操作するMacとWindowsを切り替えできるようにしたい。
- Macのキー配列も、Windowsのキー配列も、各OS標準のまま再現したい。Windows操作時は、半角/全角キーは左上(HHKBのESCの位置)が良い。
- IMEのキー設定はいじりたくない。外出時にノートPC本体のキーボードを使うときに分からなくなるのと、PCを変えたときに設定し直すのが面倒なので。
- HHKBのWindows/Macモード切り替えショートカット [Fn] + [Control] + [W]/[M] は使わない。Bluetooth切り替えの度にやりたくない。
- HHKBを使わないときは設定を簡単に戻せて、他PCへの設定移行も簡単にしたい。
- Macの使用感は変えたくないので、DIPスイッチはMac用に設定していたものから変更しない。
結果
当記事と同じように設定すると、最終的には次のようなキーマッピングになります。
箱出し状態のHHKB日本語配列からの変更箇所は黄色にしています。
接続先がMacのとき
接続先がWindowsのとき
[HHKB] DIPスイッチ
HHKB背面のDIPスイッチは、Macで使うことを前提として設定しています。
Macの使用感は変えたくないので、DIPスイッチはそのままでWindowsに対応できる方法をとりました。
DIP | ON/OFF | 設定内容 | 備考 |
---|---|---|---|
SW1 | ON | Macモード | – |
SW2 | OFF | Ctrlキー、Fnキー設定 | デフォルト設定 |
SW3 | OFF | バックスペースキー | デフォルト設定 |
SW4 | OFF | 矢印キー設定 | デフォルト設定 |
SW5 | ON | 左[◇(Command)] と 左[Alt(Option)] を入れ替える | Macbookのキー配列に近づけるために入れ替えました。 キーキャップもそれに合わせて、引き抜き工具で差し替えています。 |
SW6 | ON (OFFも可) | 省電力モード:オフ | ここはお好みで設定してください。 OFFに設定すると、Bluetooth接続モードで30分キー入力が無い場合に、自動でキーボードの電源が切れるので電池の消耗を抑えられますが、私はその度に電源ボタンを長押しするのが面倒だったので ON にしました。 |
[Windows] AutoHotKey
AutoHotKeyは、キー入力に対して様々な処理を設定できるWindows専用のフリーソフトです。
スクリプトファイルというファイルをメモ帳などで作成して処理を記述すれば、指定したキー入力をトリガにして処理を実行できます。今回はHHKBからのキー入力を別のキー入力に変換する用途でのみ使用しています。
以下の手順で、Windows PC に AutoHotKeyをインストールし、Mac専用キーなどの特定のキー入力を検知した場合に、Windowsで本来入力させたいキー入力として処理されるように設定しました。
インストール方法
Step 1: AutoHotKeyのダウンロード
下記リンク先へ移動し、Download > Download Current Version の順にクリックします。
Step 2: インストール
ダウンロードしたexeを実行してインストールします。
設定方法
Step 1: ahkファイルの作成
AutoHotkeyをインストールすると、拡張子 .ahk のファイルがスクリプトファイルとしてAutoHotKeyに関連付けされます。
以下のようにキー入力を変換するスクリプトを作成します。
キートップ | 変更元 | 変更元(キーコード) | 変更先 | 変更先(キーコード) |
---|---|---|---|---|
かな(Mac) | sc1f2 | 変換 | vk1csc070 | |
英数(Mac) | sc1f1 | 無変換 | vk1dsc07b | |
ESC | ESC | sc001 | 半角/全角 | vkF3sc029 |
Power | Fn + ESC | sc15e | ESC | vk1bsc001 |
Kana | 右Win | sc15c | かな | vkf2sc070 |
私が作成した .ahkファイルはこちら。自己責任でお使いください。[ダウンロード] hhkb.zip
スクリプトの記述内容は下記の通りです。
#NoEnv ; Recommended for performance and compatibility with future AutoHotkey releases.
; #Warn ; Enable warnings to assist with detecting common errors.
SendMode Input ; Recommended for new scripts due to its superior speed and reliability.
SetWorkingDir %A_ScriptDir% ; Ensures a consistent starting directory.
#InstallKeybdHook
#USEHOOK
;かな(Mac) ⇒ 変換
sc1f2::
Send, {vk1csc070}
return
;英数(Mac) ⇒ 無変換
sc1f1::
Send, {vk1dsc07b}
return
;ESC ⇒ 半角/全角
sc001::
Send, {vkF3sc029}
return
;Power ⇒ ESC
sc15e::
Send, {vk1bsc001}
return
;右Win ⇒ かな
sc15c::
Send, {vkf2sc070}
return
Step 2: ahkファイルを格納
間違えて消してしまわないような場所に、ahkファイルを格納します。(例: C:¥AutoHotKey¥hhkb.ahk)
Step 3: ahkファイルの実行
格納したahkファイルをダブルクリックするとAutoHotKeyが起動してタスクトレイ内に常駐します。
タスクトレイにアイコン が表示されていることを確認してください。まずはこの状態で想定通りの入力ができるか試しましょう。
Step 4: スタートアップに登録
入力に問題無いことを確認したら、PC起動時に自動で hhkb.ahk が実行されるようにします。
Windows + R キーで「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを表示し、shell:startup と入力してEnterキーを押します。
スタートアップフォルダがエクスプローラで開かれるので、そこに Step 2 で格納したahkファイルのショートカットを格納します。
最後に
以上で設定完了です!お疲れ様でした。
HHKBを持たずにWindowsノートPCを持って外出した場合は、タスクトレイからAutoHotKeyを終了するだけでHHKB用の設定が綺麗さっぱり解除できますので、ノートPCの本体キーボードが快適に使用できます。
AutoHotKeyは今回初めて使いましたが、自由度が高そうで設定していて楽しかったです。今度時間があればスクリプトを書いて遊んでみようと思います。
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